スリーステップ時間停止法 ☆☆☆ by中島タロー

たった三歩で心理的な時間を停止させきる方法をご紹介する1テーマ完結型ブログ。「瞬間さえも無い今」に溶け込み悟りに迫る道がここに。

11・《第三ステップに関する補足・前編》

おさらいになりますが、『覚醒の便法』の第三ステップにおいて皆さんに求められるのは次のことです。基本的に呼吸を対象として、「没入法」と「観察法」の「同時実践」を試みること。ここに言う「同時実践」の意味は、既に分かっておられるとは思いますが解説いたしますと、同時に同じ比重で実践するということです。
ご存じのように『覚醒の便法』においては、第三ステップに進む前に「没入法」と「観察法」の二法をマスターしておくことが正規の手順になっておりますが、その理由は、それらを前以てマスターできていると、それらを「同時実践」するのが容易になるからです。急がば回れ、ということですね。
とはいえそれ以前の問題として、前回の説明だけではまだまだこの第三ステップのやり方が十分に飲み込めないという方も、皆さんの中にはいらっしゃるかも知れません。なので今回は、この第三ステップのやり方について、さらに言葉を足させていただきます。

前回申し上げたことの繰り返しになりますが、呼吸を対象として「没入法」と「観察法」の「同時実践」を試みることはある角度から捉えますと、心を呼吸の中に入れよう(込めよう)とする志向と、心を呼吸の外に出そう(外そう)とする志向とを五分と五分に拮抗させて、どちらにも偏らないようにするということでもあります。説明を簡素化するためにここでは、「百パーセントの心」と記述すべきところを「心」とだけ記述させていただいていることをご了承願います。
前出の二つの志向を五分と五分に拮抗させてどちらにも偏らないようにするということは言い換えれば、心を、呼吸の中に入れているのかそれともその外に出しているのか、どちらとも取れるような、あるいはどちらとも取れないような、一体どちらなのか判別のつけようが全くない、どっちつかずの真ん中の状態に持って行く、ということでもあります。
その「どっちつかずの真ん中の状態」と言いますのは顕微鏡を覗くような細かい眼で調べてみても、どちらかへの偏りを見つけ出すのが不可能な状態でなければなりません。心を前述のような状態に持って行くためには、そういう意味での精密さ精確さが要求されるということです。
で、心をその状態に持って行くことに成功いたしますと何故か、心は脇に退いてしまいます。そしてその結果として、心とは別にある真我という名の眼で呼吸を見ている状態に我々は成ることができます。心の出番が無くなると真我という名の眼の出番がやって来るものなのです。

 

もう一つの時間停止法『動的時間停止法』のことは最終ぺージで。